Mother

旅立ち

全てを含有する空の下で
世界がはじめて生まれた日
虛空の中心
頬をかすめる 微かな冷気
鼻腔を通って
真っ直ぐ伸びた茎が
葉脈の先まで広がって
ぬくもりを感じると
胸の中心で鐘が鳴る
ゆっくりと踏み出す爪先
移り行く暗がり
羽化し始める朝
透き通る琥珀の光
いのちのさえずり
鮮やかな夢
これが 地球のうた