光の龍

旅立ち

紅蓮の怒髪は薪をくべる
いのちの焚き火が音を立てる
その煌めきは
虚ろな瞳に灯りを燈す
息吹は若葉へ成長し
浅葱の天を慕った
歓喜と絶望の環
諸刃の渦は膨れ上がり
大地を揺らし
全てを飲み込んだ
ソラが
泣き出した
群青の慈雨
慈しみは葵を伝い
賢者の蘇生


太陽が昇る
雨のプリズム
ふたつが重なり合って
光の音階が生まれる
やがてそれらは
虹の竪琴をかき鳴らす
その波は
瑠璃の海鳴りへ続き
闇に木霊する


白い龍が
無限のスペクトルから
具現化される
一会のソラ