歓びのうた

旅立ち

オゾンの結界に包まれて
地上を浮遊している
次元の狭間を彷徨っている
記憶喪失のストレンジャー
ベートーヴェンが導く
みて きいて かんじて
瞳の奥の
胸の奥の
雑踏をかき分けて

久遠の闇夜を見上げた
かぐやは 息をのむ
見慣れたはずの満月
その煌々とした 輝きに

恐ろしい程に退屈な
完全無欠の渦の中から
創り出される 
不完全で 未完成の
鮮やかに調和する
不協和音に