夢の中で 夢を見ていた
長いこと
微かな振動
真っ白な空間
身籠った鼓動だけが
流れている
見上げると
ぼやけた明かり
水面は遠く思えた
望郷の思いがこみ上げる
自然と浮かび上がる体
ゆっくりと 光の射す方へ
近づくにつれ
ざわめき始める波
膨れ上がる波
動き始めたマグマは
深海を撹拌し
自らを飲み込んだ
巨大な渦となって
全てを切り裂いた
藻屑となった魂は
光を反射しながら
舞い上がっていった
水面を抜け
雲を抜けて
空の上まで
天の河が渦巻く
決壊し 氾濫し
混沌の星屑になった
ひとつになった
織姫と彦星
この惑星で綾なす
アウフヘーベン