深海

晴れの日も 雨の日も生きている汗にまみれて 泥だらけの景色も不条理を詰め込んだ傷だらけの日々も生きている種火はいつでも ここに静寂に灯っているひとつに重なる瞬間をいつでも 待っている言葉も 国境も 肩書きもない純粋な場所でどこに居ても ひと...

どれだけ歩いてきたのだろういつまで経っても 近づけない小さな戒律を夢遊している鉛のカラダを引きずってどこまでも追いかける 死者の群れいつまでも 周回する朽ち果てた無限回廊幽閉された真実の記憶の断片を 垣間見ながら行き先を亡くした魂は傀儡の夢...

呼んでいるゆっくりと胸の扉を開く薄暗い道一歩進むたびランタンに火が灯って道ができていく魂の明かりを追ってまた一歩進むあたたかな闇に包まれた細い一本道大地に発現した数多のエピトープ姿を変え 形を変え時を超えて大きなうねりを創造する巨大な螺旋は...

夢の中で 夢を見ていた長いこと微かな振動真っ白な空間身籠った鼓動だけが流れている見上げるとぼやけた明かり水面は遠く思えた望郷の思いがこみ上げる自然と浮かび上がる体ゆっくりと 光の射す方へ近づくにつれざわめき始める波膨れ上がる波動き始めたマグ...

降り続く雨の音だけ聞いている止まない雨は映画のフィルムいつまでも 降り続くどこまでも 流れていく時代の戦火を包み込む枯れた大地を浄化する艷やかな街はレクイエム雨は美しい雨は悲しい雨は優しい涙のソラ降り続く雨の音だけ聞いている

穏やかな空は音も無く サラサラと零れ落ちる光の粒子絹のように滑り落ち流れ続ける 動の瞬間触れた途端に溶けていく小さな小さな雪の結晶溢れ出し 巡るソラの泉失って 傷ついて世界が醒める光は染めずともいつの日も 此処に夕暮れを翔ける虹はコーヒーカ...

夢のランドマークが立ってる極限まで膨張したシャボン玉の中で浮かんでは 消えていく憧れのショーウィンドウブラウン管の中のときめきいつか見た 映画みたいにまどろみながら一歩ずつ 階段を昇るキラキラの宝石箱はとても 重い眠りと覚醒の狭間時折視界の...

空は静けさを湛えた水面真実を映し出す鏡貧富は 正邪は地位は 名誉は喜びは 悲しみはどこにあった立ち止まり 見上げた空に時を失くし呼吸も忘れ紫苑の悠久に 唯在って今 胸中を昇りゆく この光は一切の偽りを貫く閃光全てを包み込む慈愛の子守唄空に帰...

紺碧を射す 四月の詩覚醒を突く緩やかな 8度の響きは真っ直ぐに天を描く与えられた この空にこの瞬間に迷うことなく感じるままに唯生きる あなたの姿に尊き美しさに私は惹かれ生まれ変わる

虚しさに気づかない振りをして違和感を罪悪感で閉じ込めて長い 長い 鎖を引きずって繰り返した 旅路の果てに自分が誰だったのか忘れてしまった胸の痛みは道標あの日埋めたタイムカプセルが呼んでるよハートのキャリブレータ