共鳴

深海

不意に視界を遮って
わずかな隙間から忍び込む
囁き声は絡まり合う
恐怖を吸い上げ 増殖する
とぐろを巻いた もやの中
踊り続ける夢を見る

要と不要の区別がつかず
洪水に飲まれていく
主人が不在であるならば
祭壇に捧げるは 空虚な祈り
有る世界には 他力の雑言を
無い世界には 悲劇の憤りを
ただ繰り返す
力尽きるまで

一斉に飛び立つ広場の鳩
交差する別世界
通り過ぎていく人の波


私は何をみている
あなたは何を感じている
どこにいる

あなたの放った言の葉は
私の胸の鐘を打つ
初めての朝日みたいに
地球が震えている