しらない街   

青い春

ビルの外に出た途端、刺すような冷えた空気。
静かな道路。
店の前でたむろしている外国人。
まだ少しネオンの明かりが残っている。
ひとりぼっち。
ここには長く居ちゃいけない。
足取りが重い。
闇に浮かんだプラットホーム。
夢と現実のはざま。
電車に乗ると、一歩ずつ近づいてくる現実。
でもまだ夢の中。
もう少しこのままで居よう。
まどろみの途中でいつもの駅に着いた。
いつものマクドナルド。
ロボットみたいな店員がトレーを差し出す。
2階に上がった。
ロボットが新聞を読んでいた。
その後ろのテーブルでコーンポタージュを飲んだら、懐かしい味がした。
知らない人が入ってきて、斜め前のテーブルで何か飲んでいた。
窓の外を見ると、だんだん白んでいく景色。
表に出ると、知らない色で塗り変えられた街の風景。
夢から醒める瞬間。
いつものバス停。
つかの間の時間に乗り込む。
気づいたら知らない場所。
あせって降りて、思わず駆け出しそうになった。
煙みたいに白い息。
あたしが何ひとつ変わんなくたって、
今日もまた日は昇んだね。