トパーズ

旅立ち

あの日、あの時、あの瞬間をつかまえたくて、
音を、言葉を、色彩を、重ねる。
何度も塗り変えてみる。
取り出せない。
収まらない。
でもきっとそれでいい。
その瞬間の本態は
光や音の受容を超えた感覚で、
いのちそのものだから。
「真実」という答えの追及はいらない。
遠くに感じていても、
わからなくても、
それぞれの今。
その存在そのものが、
どこかの扉の鍵になってる。
その扉を開けたら、空が繋がる。
この光は私の世界だけど、
あなたがあなたであることで、
こうして、私の今がある。